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2000 12/15 日経新聞 朝刊 -抜粋-
◇ゴルフ会員権の処理◇
2001年3月期からゴルフ会員権も金融商品として価格が著しく下がった場合に評価減する減損処理が義務付けられた。
バブル崩壊後の利用料客減少でゴルフ場が経営難に陥るケースが目立ち、会員権価値は大幅に下落している。従来は明確な基準がなかったため、所得価格のまま賃借対照表に計上されてきたが、今期から含み損が表面化し企業の損益に影響が出ている。
多くの企業が接待や営業上の目的で会員権を購入しているが、ゼネコン(総合建設会社)はバブル期にゴルフ場の造成工事を受注する見返りに会員権を大量に購入した企業が多い。
この9月中間決算では清水建設が63億円、佐藤工業が32億円、大林組が23億円のゴルフ会員権評価損を計上した。
■有価証券に準じて評価減■
日本のゴルフ場は、預託保証金を払い込んでプレー権を取得する預託金制が大部分を占めるが、株主会員制もある。いずれの場合も、時価や実質価格が著しく下落した場合、「有価証券の減損処理」に準じた会計処理を行う。
有価証券と同じように50%以上下落したら、回復の可能性があると認められない限り、評価減の対象になる。預託金制では貸倒引当金の計上で一部を処理する。
会員権の時価はゴルフ会員権相場表などで把握する。実際の取引実績のない会員権もあり時価を知ることは簡単ではないが、時価がない場合、発行会社の財政状態や預託保証金の回収可能性を検討して判断する。こうした個別情報の入手が難しい場合、大手のゴルフ会員権取引業者に評価鑑定を依頼することもできる。
○2000年9月中間連結決算でゴルフ会員権評価損を計上した主なゼネコン
熊谷組 82億円
清水建設 63億円
三井建設 33億円
佐藤工業 32億円
大林組 23億円
ハザマ 12億円
青木建設 12億円