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東京国際CC(東京) -財界展望 抜粋2001.5-

ゴルフホットラインニュース
2001年4月10日(火)

-財界展望 抜粋2001.5-
●東京国際CC突如の社長交代と新スポンサーの〝評判〝●

東京国際カントリー倶楽部 (以下・東京国際CC)グループの北村昭夫社長自らが所有する自社株を無責任にも売却画策しているなど、本誌は再三にわたって詳報してきたが、先頃、東京国際CCの経営権が新水戸カントリークラブ(27ホール、茨城県)の国武グループ(本社・東京、大久保隆代表)に移ったことが明らかになった。
 これまでの経緯を簡単に振り返ると、グループのメインコースである東京国際CCの会員が〝水増し〝されているのではないかとの疑惑を本誌で追及した頃、一方で、北村社長は所有する自社株売却話を水面下で進めていた。
これに驚愕した会員は、会社側に水増し会員と株券売却の真相を「東京国際CC会員権を守る」を結成して追及する格好で推移してきた。
 本誌が指摘した通り、正会員が143人、平日会員が221人増えていた事が判明し、理事会も従来の理事か総退陣。
その後、会員権を守る会の会員が中心になり、「経営が苦しいなら会員が株主になり、その上で100万円から200万円ほど負担してもいいという声が会員の一部からあった」(会員)が、結局はこの声も不発に終わった。

〇生活のための株売却

「東京国際グループはもともと堅実経営だった」と、古い会員はこう語る。
「東京国際CCグループのスタートは、東京都町田市に北村昭夫社長の父親で創業オーナーだった北村貞治氏が昭和36年に開場した東京国際CCだった」
 次いでオーナの出身地である長野県に管平高原カントリー倶楽部(18ホール)を昭和40年に開場。
その頃、27ホールで開場した東京国際CCの9ホールが、多摩ニュータウンの用地にかかり売却。
この売却資金をもとに、昭和44年、茨城県桜川村に「当時のトッププロが一ホールずつ設計、をキャッチフレーズ」に桜ゴルフ倶楽部(27ホール)を開場。
「9ホール縮小された東京国際CCの会員に、桜GCを利用できるとの救済策を打ち出し、桜GCの会員募集も順調にいった」(前出・会員)
 さらに昭和49年に信州丸子高原カントリークラブ(現・グランステージ丸子コース、27ホール、長野県)を開場し、また長野県上山田町にホテル、圓山荘を建設するなど中堅ゴルフ場経営企業の地位を築いた。
 その堅実経営が行き詰まったのが、平成四年に開場した軽井沢900倶楽部(18ホール、長野県軽井沢町)の建設だった。
「先代オーナーが日本のリゾート地である軽井沢で、会員権を譲渡できるコースが少ない。
別荘は増えてもゴルフ場はパブリックばかり。別荘族が新たに親睦の図れるコースを造りたいと、四苦八苦して開発認可を取得したが、バブル景気と重なったこともあり、二代目の北村昭夫社長が湯水のように資金をつぎ込み、ホテルを付帯した超豪華クラブハウスや軽井沢町内に迎賓館まで建設。
これらの投資が裏目に出てたところへ、預託金返還請求が殺到してきた」(前出・関係者) 軽井沢900倶楽部の800万円から3000万円の募集だけでなく、桜GCのクラブハウス新築資金回収のため追加募集した正会員2400万円、平日会員1200万円も返還期を迎え、次第に身動きが取れなくなってきた。
「負債だけでなく会員の預託金返還が加わり、北村昭夫社長は経営意欲を喪失した」と、東京国際CCグループの内部事情に詳しい関係者はさらに続ける。
「北村昭夫社長は経営が苦しくなると、倒産コースの会員を他コースに移行するなどゴルフ場業界でブローカー的な存在だった会員権業者を経営参画させ、その一派が北村社長に東京国際CCの株売却を画策した」
北村社長の今後の生活費七億円が売却額と言われていたが、いくらで売却されたかは不明。
いずれにしても売却に動きまわった関係者も、それなりの金額を手にしたと見るべきだろう。
「日東興行の松浦社長も創業者の二代目だったが、東京国際CCグループの北村社長も同じ二代目。
創業者の苦労を知らない二代目は、自分の生活を守るため、経営権を手放し、逃亡したのではないか」
 会員は預託金に加え、新たな課題を押しつけられた。
 ところで、新たに東京国際CCを取得したのは、新水戸CCなどを経営する国武グループ。
 同グループは昭和47年に茨城県七会村に新水戸カントリークラブを開場、その後北海道蘭越町にニセコ&リゾート(18ホール、昭和48年開場)、52年に仙台グリーンゴルフクラブ(18ホール、宮城県白石町)を開場と、オイルショック前のゴルフブーム時にこの業界に進出。

〇国武グループの狙いは〇

 そしてバブル景気時の昭和62年に、法人の研修施設をキャッチフレーズに久慈川カントリークラブ(18ホール、茨城県山方町)を建設。
コースは人気設計家の加藤俊輔氏で、宿泊施設や研修ルームにプール、テニスコートなどの施設を完備したが、最終的に個人会員が大半。その後、同じ茨城県十王町の十王カントリークラブ(18ホール、平成3年開場)を買収し、経営権を取得している。
 新水戸CCのある会員は、経営母体の国武グループに、他コースを買収する資金があったら、預託金を返還してもらいたいと、こう不満を漏らす。
「新水戸CCは会員をたびたび募集し、何人いるのかわからない、預託金も返済しているというだけでいったいいつになるか答えてくれない。
そんな経営状態のコースがなぜ、十王CCに次いで東京国際CCまで回収する資金があるのだろう」
この疑問にある関係者は、「国武の実質的経営者である大久保隆代表は、新水戸CCから北海道のニセコ、宮城県の仙台グリーンCCを建設し、単独の会員だけでなく〝共通会員″を、それこそ見境なく集めた。
共通会員なら一ヵ所に集中しても、他コースはいつでもプレーができると弁明できる。
この旨味を体験しているだけに、数年前からまた、共通会員に興味を示し、茨城県の十王CCをはじめ千葉県のコースにも食指を動かしていた。
そこへ、東京国際CCなら、共通会員メインにできるとの狙いがあるのでは」そして、買収資金は、「新水戸CCと道路を隔てた隣接地に確保していたゴルフ場用地に、コースを完成させ、後楽園グループに売却した。
この売却資金が十王CCや東京国際CCの買収資金になっているのでは」と語る。
 東京国際CCの理事会は、東京国際CCの用地を所有する(株)東京国際カントリー倶楽部の株式68.94%が新水戸CCグループに移り、会員が21.42%所有する運営会社の東京国際ゴルフも、三月四日の臨時株主総会で、国武グループの杉岡義行、大久保隆氏の代表取締役就任に反対したが、多数決で承認された、と会員に報告。
どう運営していくか注意深く見守っていきたいとしているか、「いずれ国武グループは投下資金の回収に走るはず。
東京国際グループは100億円以上の負債を抱え、固定資産税や消費税も未納といわれていただけに、何らかのアクションがこれからあるはず」と関係者はいう。
 当事者である国武グループ、東京国際CCに改めて取材を申し込んだが、回答は貰えなかった。

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