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○ 政府税調 悪質な納税逃れ防ぐ ○
― 政府税制調査会(首相の諮問機関)は7日、個人の金融商品取引に関する所得税制の抜本的な見直しとなる「金融所得の一体課税」の概要を固めた。
金融取引で生じた損益を相殺して納税額を減らせる仕組みに一定の上限を設け、投資家が意図的に損失を出して税金を減らすのを防ぐ。
一体課税の対象とする金融商品は、現在の株式や投資信託の一部から債権、預貯金などに段階的に拡大し、個人投資家が株式や投信などに投資しやすい環境づくりを進める。
金融所得の一体課税は預貯金に滞留している個人貯蓄を株式や投資信託などの投資商品に誘導し、金融市場を活性化するのが狙い。
政府税調は15日に取りまとめる報告書で税制改正の方向性を示す。
早ければ政府・与党が今秋以降に検討する2005年度の税制改正に盛り込まれる。
損益相殺の対象は現在、上場株式と株式投資信託の売買損益などに限定されている。
これを株式配当や公社債投信の売買損益、公社債・預貯金の利子などに広げる。
投資用不動産やゴルフ会員権の売買損益は金融商品による所得と性質が異なるため、一体課税の対象にしない。
不動産は現行通りの分離課税、ゴルフ会員権は総合課税を維持する方針だ。
導入後は例えば株式取引で売買損失が出た場合、確定申告すれば預貯金利子などから源泉徴収で収めた税金が還付されることになる。
投資家が意図的に損失を出して納税を回避しないような措置も設ける。
預貯金利子や配当と相殺できる株式などの売買損失額に上限を設ける。
上限額をいくらにするのかなどは今後詰める。