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会員権購入を勧誘した銀行の責任を高裁で追及

ゴルフホットラインニュース
2007年5月9日(水)

◇旧・富士C大多喜城GC(千葉)を廻り敗訴した会員が「銀行が虚偽の説明を行った」等と主張するも一審は「バックはフジパンの説明は虚偽でない」等とした◇

銀行から違法な勧誘を受けて、ゴルフ会員権を購入したため損害を被ったとして、損害の一部である3500万円の賠償を銀行に求めたものの、東京地裁民事第8部が〝違法ではない〟とした判決を1月19日に下したのを不服として、控訴していた会員が控訴理由書を4月10日に東京地裁に提出した。
会員は、一審の判決に対し「〝バックがフジパンであるという説明をしても虚偽には当たらない〟等、きわめて無理のある判断をして請求を棄却」、「バックの意味について言及していない」などとして控訴したもの。
訴えているのは富士C大多喜城GC(千葉、18H=法的整理が終結し現在は東急不動産グループ)で、訴えられたのは同CCの会員権の購入を勧誘した東京スター銀行(当時の東京相和銀行)。
一審の東京地裁の判決によると、会員が代表取締役を務める会社が同銀行の営業課長の勧誘(ゴルフ場会社関係者の説明や勧誘は一切なかった)で、平成2年3月に同銀行の提携ローンを利用して3809万円(内預託金3500万円)の法人会員権の購入(その後の平成6年5月に代表個人に名義変更)。
しかし、同ゴルフ場は平成16年12月に民事再生法を申請し事実上倒産したため、会員権の実質価格は預託金の5%(175万円)となり、会社と現会員(会社の損害賠償請求権は会社から会員が譲渡を受ける)は損害を被ったとしている。
この損害は違法な銀行の勧誘が原因だとして、銀行を訴えたもの。
銀行の具体的な不法行為について、
①会員は銀行の営業課長が〝ゴルフ場はフジパンが経営している〟。
 〝名古屋の優良企業であるフジパンがバックアップ〟などを説明しており預託金の償還についてフジパンが責任・保障するかのような虚偽の説明を行った。
②〝将来の値上りも期待できる〟と断定的に説明した。
③執拗に勧誘、断れば融資に不都合が生じるとのプレッシャー、恫喝を与えたので、金融関係の優越的地位を濫用した。
④会員権の販売媒介行為は銀行法違反―などと主張した。
裁判所は、会員の主張通りであれば「銀行は、虚偽の説明をしたときには損害賠償の義務を負う」と判断。
しかし、①については「〝フジパンがバックにある〟では虚偽とまではいえない」、「パンフレットにも記載はない」、②については「主観的な評価、一般的な予測」、③については「融資の早期返済等の不利益を与える態度は示していない」、④については「提携ローンの利用を勧誘したので、銀行の業務そのもの。銀行法に違反していない」などとして会員の主張を退けた。
なお、平成16年8月9日の東京高裁第5民事部判決では、銀行の会員権の勧誘販売が争点になり、高裁は「銀行の担当としてなすべき義務を放棄した、いわば不作為の欺罔行為に匹敵する過失があった」とし、銀行にも責任があるとした判断を下している。

=ゴルフ特信 提供=

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