日経新聞 抜粋 ―ゴルフ場過半が最終黒字―
2004年8月25日(水)
○合理化・新サービスで経営改善着々―入場者2年ぶり増加(2003年度、日本経済新聞社調査)○
日本経済新聞社が23日まとめた「第10回ゴルフ場主要512コース調査」によると、2003年度に最終損益が黒字となったゴルフ場が3年ぶりに半数を超え、入場者数も2年ぶりに前年度を上回った。
ゴルフ場を巡る経営環境は厳しさが続くものの、ここ数年の合理化や新たな顧客サービスの強化を通じて経営改善の手がかりをつかみつつある。
2003年度の平均売上高は1コース当たり前年度比3.4%減の約6億7千万円。
平均来場者数(18ホール換算)は1.1%増の約4万5600人で、2001年度以来の増加となった。
回答を寄せたコースのうち03年度の最終損益が黒字だったのは54.7%で、赤字は27.6%にとどまった。
国内のゴルフ場はここ数年、従業員の削減や資材調達コストの低減を進め、プレー料金の下落に対応できる経営体質づくりに取り組んできた。
一方で、集客拡大のための顧客サービスも強化。
こうした活動を受け、04年度の入場者数が前年度より増加するとみるのは半数以上の56.9%に達した。
さらに5割強のコースが売り上げ増を予想し、8割強のコースは最終黒字を見込んでいる。
◇個人の会員権取引増加、女性や若年層の開拓カギ◇
ゴルフ業界では会員権取引に初めて参加する個人客が増加、ゴルフ場でプレーする女性客も目立ってきた。
ゴルフ場事業再生には経営体質の強化に加え、若年層を含めた新たな個人客の取り込みがカギを握っている。
ゴルフ用品メーカーはゴルフ人口の減少を食い止めるため、女性や若年層の開拓に乗り出した。
男性が9割以上を占める市場で、ほとんど顧みられてこなかった顧客だ。
日本スポーツマーケット研究所所長は「ゴルフ場だけでなく、メーカーや地域との連携が不可欠」と強調している。