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カートによる人身事故で、G場に損害賠償責任の判決

2010年2月2日(火)
カシオワールドオープンで、TVクルーの乗用カートがギャラリーに突っ込み、女性4人が重軽傷を負った事故が発生した。
状況は異なりかなり前のことになるが、ゴルフ場で電磁誘導カートに追突されたゴルフファーが、ゴルフ場の経営会社に損害賠償を求めた訴訟で、その訴えを認める判決(確定)が出ているので紹介する。
名古屋地裁が平成7根10月25日に下した判決で、ゴルフ場側が危険を知らせる看板の設置を怠るなどで、民法717条の〝土地の工作物等の占有者及び所有者の責任〟があるとしている。
訴えていたのは、飲食店(クラブ)のママで、訴えられたのはゴルフ場(三重県)の経営会社。
判決によると、原告はアウト1番ホールに向う通路を歩行中に、後から走行してきたカートに追突され転倒し、肋骨を折るなどの傷を負った。
このため、原告は就労不能となったとし、休業損害(報酬は月額100万円)・治療費・通院交通費・慰謝料として442万円余の支払いをゴルフ場経営会社側に求めた。
同ゴルフ場は、ハーフプレー終了後にカートを残りハーフのコースのループ線に移動し、スタートティに発進(自動走行)させていた。
発進後は自動停止となるティまでの間、停止等のコントロールができず、歩いていた原告に追突したもの。
裁判所の判断は、
①歩行者の通路をカートも走行することについて注意を喚起する看板や表示は設けていなかった。
②カートを移動する作業員は、危険の防止措置の方法について上司から何らの指示も受けていなかった――と指摘した上で、「ゴルフ場の設備の欠陥は民法717条1項に当たる」として141万円余の支払いをゴルフ場側に命じた。
乗用カートによる事故で、ゴルフ場側が施設菅理の責任を問われる可能性もあることから、事故の起こりやすい合流地点や急カーブ、急こう配などの危険個所の安全を見直す必要がある。
ちなみに、判決文では「ゴルファー用の通路とカートの走行路とを個別に設置する」のが最善と示唆している。
=ゴルフ特信 提供=