2010年4月26日(月)
3月25日に開かれた債権者集会(書面投票と併用)で、債権者数が再生計画案の可決要件である過半数に至らず続行決議となったセミパブリックのフォレストヒルズG&R(18ホール、広島県三原市)を経営する三セクの広島エアポートビレッジ開発(株)は、自主再建から一転してスポンサーの資金注入型の再建を目指し、4月19日にスポンサーの公募を開始した。
同社はホームページ(URL=
http://www.golf-navi.ne.jp/foresthills/)の同日付けで「入札公募実施要領」をアップ。
スポンサー選定は、東証1部上場の(株)リサ・パートナーズをフィナンシャルアドバイザーとして委託(委託料600万円+売却価格の4%が成功報酬)するとともに、公募の事務局にした。
その要領では施設と手続きの流れを大まかに記載。
入札スケジュールについては4月19日から入札案内書を交付し、同日30日まで入札参加申込書を受け付ける。
また〝意向表明書〟の提出の締切りは、交付開始から約1ヵ月後(5月中旬以降)としている。
さらにスポンサー選定の基準については「入札金額、ゴルフ場運営に関する実績、その他意向表明書記載の事項を勘案」するとしている。
このように具体性にかける要領のため、ゴルフ特信によると、クラブハウスは広島エアポートビレッジ開発(株)が保有し、ゴルフ場の資材機材、備品なども入札物件に入っている。
しかし、付帯のホテル「広島エアポートホテル」は他の三セクの売却予定のために除かれている模様だ。
このような情報から判断すると資産の売却のようだが、国などの公共団体が用地を保有していることから、広島エアポートビレッジ開発(株)への資金注入型の入札となっている。
入札の基準価額についても明らかにしていないが、今後10年間に想定される収益の3億1000万円(当初の再生計画案での弁済資金の一部)を上まわる額が落札の最低価額となるといわれている。
ちなみに、当初の計画案の弁済率は27.58%。
県に〝協力〟して1200万円(全額預託金=10年据置き)を拠出した会員(223名)は、
①弁済率が低いこと、②プレー権が消滅(パブリック制に移行とした計画案)すること――などに反発し続行決議となった。
そこで、自主再建を断念し弁済率の底上げを狙っての入札となった。
しかし、入札条件にプレー権の存続が入っておらず、存続するか否かは入札する側の意向次第となっているようだ。
なお、この入札もあり、予定していた5月21日の債権者集会は説明会に切り替え、修正した再生計画案の決議をする債権者集会は、6月にずれこむことになる。
=ゴルフ特信 提供=