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高速道路の無料化実験、首都圏ゴルフ場は効果薄

2010年7月20日(火)
高速道路の無料化社会実験が6月28日から来年3月30日までの予定で全国37路線50区間で始まったことから、周辺ゴルフ場をヒアリングしたところ、まだ恩恵を実感する所は少ないことが分かった。
7月6日の国交省発表による無料化により交通量は平日で1.8倍、休日で約1.7倍に増加したという。
平日5日間の比較で交通量が増えたのは東北中央道・山形上山~山形中央の422%、米沢南陽道・米沢北~南陽高畠368%、舞鶴若狭道・舞鶴東~大飯高浜325%など実験前に高速道路利用が進んでいなかった地方部で伸び率が高く、伊勢自動車道・津~久居145%、京都丹波道・篠~亀岡175%、西湘バイパス159%などは交通量は上位だったものの伸び率では平均を下回ったという。
ゴルフ場へのヒアリングでは、箱根方面は箱根新道14キロ・西湘バイパス15キロ・新湘南バイパス9キロが対象となり、箱根くらかけG場(神奈川)が「箱根新道出口近くの当ゴルフ場が最も恩恵を受ける。ただし、今は梅雨なので今後に期待したい」と話している以外のコースは、「東名道を使う人が大半」等で無料化の恩恵は期待していない。
東富士五湖道路(中央道大月~41キロ)方面は、首都圏でゴルファーの利用に影響が出るかと予測されたが、国交省の発表では平日に都留~河口湖が126%と思いの外伸び悩んでいる様子。
静岡の須走出口周辺の篭坂GCでは「元々、東名・横浜方面のお客が大半」との反応で、太陽CCでは法人無記名会員の募集を中央道沿線でも営業をかけているが、利用者の増加とはなっていないという。
関西方面では、京都丹波道路の周辺はゴルフ場も多く、クラウンヒルズGCは「京都縦貫道・園部ICまでの高速代往復2千円(ETCで千円)がゼロになり喜んでいる」、丹波IC利用の篠山GCは「会員募集しているので京都方面からの入会に期待したい」と話している。
また、伊勢自動車道沿線では津IC以南が無料となったこともあり、伊勢道終点の伊勢IC利用の富士OGMエクセレント伊勢二見コースでは「休日は従来から県外客が多かったが増えた感じがある」と好印象のようだ。
ゴルフ場によって反応に温度差はあるが、京都や伊勢道など主要客層が利用する高速道路が無料化した地域では印象が良いようだ。
首都圏では無料区間が短いこともあり「通勤に使え一部従業員は喜んでいる」というように、地域に与える効果は限定的のようだ。
なお、お盆時期の高速道路の割引制度について、国交省は休日上限千円を暦通り適用すると発表している。
昨年は平日にも適用して渋滞を分散させたが、今年は利用が集中しそう。
ゴルフ場にとっては、地方の無料化実験より、主要道路の割引制度の方が影響度は高いとみられる。
ちなみに7月11日の参議院選で与党・民主党が大幅に議席数を減らし、単独過半数を割っており、今後の高速道路政策にも影響しそうだ。
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