2005/04/15 ムーアグループ、日本から撤退
外資系投資会社のムーア・グループは、3月31日を持って日本事務所「東京都港区赤坂」を閉鎖し、日本の不動産への投資事業から完全撤退した。
日本のムーア・グループはヘッジファンド業界大手のムーア・キャピタル「本部・米国」とパートナーシップを組んで平成11年に設立された。グループの中核組織はムーア・ストラテジック・バリュー・パートーナーズ・ジャパンLLCで、日本の不良債権に1000億円を超える投資を行い、オフィスビルやホテル、パチンコ店などを傘下に収めた。
ゴルフ場業界には、平成13年11月に旧・第一コーポレーション系列から小海高原GC「長野・9H」を買収して参入。翌14年3月には、ムーアが取得していた別除権付債権「約35億9000万円」の権利を行使し、民事再生手続を経て平戸GC「長崎・18H」を傘下に収めた。15年8月には民事再生手続から破産となったノースショアCC「旧・北浦GC(茨城・18H)」を破産管財人から買収。また、抵当権を買い取った大札幌CC「北海道・18H(平成10年に破産)」を、3年間閉鎖後の15年に再開場させるなど、ピーク時には計4コースを経営していた。
しかし、ムーアが金融機関等から買収した不良債権は、事業再生に活用できるものが少なく、投資効率が極端に悪かったようだ。当時の担当は「バルクセールで仕入れた債権のほとんどは老齢化したホテルやビルの再建で、活用できない」と嘆いていた。このような投資の失敗から撤退を余儀なくされたと見られる。国内のゴルフ場を傘下に収めた外資系企業で、全面撤退を決めたのは同社が初。ただし、ゴルフ場事業は収益率が悪いだけに、今後も撤退する外資系企業が出るものと見られる。
ちなみに、ムーアはノースショアCCを昨年11月に韓国資本のBANDOグループに売却している。また、大札幌や平戸についても売却先を決め手続を終了させているようだが、各種公的手続もあり完了はしていないと該当するゴルフ場側の2コースは回答している。
2001/09/03 民事再生手続き開始申請のお知らせ
2001/09/03に民事再生法申請しました。