預託金の償還期限が過ぎ、会員から請求があった場合、ゴルフ場は入会金などを除く証券額面記載の預り金を返さなければなりません。しかしながら、現在、償還請求を受付し約束通りすぐ償還に応じているゴルフ場は、ごく僅かです。
ゴルフ場を建設するためには膨大な費用がかかります。預託金制ゴルフ場は、ゴルフ場経営会社が「ゴルフ場の利用する権利を有する」会員の募集を行い資金調達をしてゴルフ場を建設運営します。その際、会員は預託金という名目で一定の金額を運営会社に預け入れます。その対価としてゴルフ場の施設を優先的に利用権できる権利を得られます。大半の預託金ゴルフ場では、募集時に預け入れた預託金は償還期限が過ぎたら会員の申し出により返還するという約束で会員募集されていました。
※預託金証券には額面と発行日・発行後の償還期限が記載されています。預託金には利子は付きません
名義書換することで新たな入会者に「施設優先利用権」とともに「預託金」返還請求権も移行します。名義書換後から新たに償還期限を延長するゴルフ場もあります。 資金繰りに厳しいゴルフ場は、償還期限の延長を求めたり、証券を分割したりしています。詳しくは弊社営業までお問い合わせ下さい。もちろん、約束通り償還に応じているゴルフ場もあります。
※一部預託金証券では額面が証券に記載されていないこともあります。
2015年ごろから預託金充当(全額充当可能・実質無料で書換可など)で名義書換を促し償還対策を講じるゴルフ場も見受けられるようになってきました。
尚、一度預託金の返還(償還)をしたゴルフ場に再入会をする場合、入会を制限しているゴルフ場が多いようです。Aゴルフ場は新規にゴルフ場を運営するために会員を募る。
=募集内容=
縁故募集500万[内入会金100万・預託金400万]100名(集めた金額:5億)
一次募集1000万[内入会金100万・預託金900万]500名(集めた金額:50億)
二次募集3000万[内入会金100万・預託金2900万]500名(集めた金額:150億)
これによりゴルフ場は205億のお金を会員から集めゴルフ場の造成からクラブハウス建設
運営管理できるシステムを作り上げる。[総費用150億かかる]
会員募集の際は一定期間を経過すれば、会員の申し出により預託金は返還するという契約で会員となる。
Aゴルフ場はオープンと同時に名義変更(名義書換)を開始、会員権相場は5000万の値がつく。
景気が下降をたどり、Aゴルフ場の需給バランスがくずれ会員権相場が1000万まで値下がる。
そのころ償還時期を経過した会員は市場で売却するより額面(預託金)を償還してもらうほうが有利な為
ゴルフ場へ額面(預託金)を償還する。
過剰資金がゴルフ場にあるうちはその額面(預託金)償還に応じられるが、返還資金が底をつくと返還できない状況に陥る。
このことがゴルフ場とのトラブルとなり、多くのゴルフ場が会社更生法・民事再生や破産となり現状に至る。
※ゴルフ場との契約なので裁判すれば勝訴するが、預託金は戻らないケースが多い。
※償還期限の延長も裁判すれば勝訴した例はあるが、預託金は戻らないケースが多い。